音源配信開始。
-Evocaciones
iTunes,Spotify始め各配信ツールにてアルバムをリリース。
5つのインストゥルメンタルと4つの録音を収録。
1.The Emperor
前半のゆったりとしたペンタトニック的な進行がいかにもそれらしく、後半との対比を織り成す。シンセサイザーのpadに溶け込む各種管楽器が上手に演出している。アップテンポで刻まれる後半は、馬の背に馳せる様子を思い浮かばせる。
2.adventure
ベース、バッキング・キーボード、メロディとオーソドックスなポップバンドの形態をとるスタイルは、フュージョン的なニュアンスを感じさせる。邪魔をしないバッキンググループに映えるピアノの効果は秀逸。
3.Erectric Train
ミニマル・ミュージック。作曲者自身の声をサンプリングしたループや、ユニゾンから派生する倍音によるハーモニクスなど電子楽器ならではの工夫が盛り込まれている。主題の全容が徐々に明らかになる過程を楽しめる。
4.duel
ビートを刻む事で心地よい緊迫感を演出している。ピアノやstringsにシンセサイズされた音を被せ、効果的に音の処理が成されている。また、ドラゴンの声を見立てた効果音の演出が雰囲気を盛り立て、より面白いものにしている。
5.Along with the memories
単純なモチーフから構成されるシンプルで感傷的な音楽。演奏会用というよりも映画音楽と捉えた方がしっくりと来る色合いの濃い性格を持つ。トゥッティとアンサンブルとの対比が上手に使われ、短い時間ながらもドラマを感じさせる。
ⅰ.Ⅱ声のする方
演奏はiriscrainetquartettoのメンバー、中村 由加里と小田 美沙紀両人の演奏。静寂と断片的な不協和音が効果音的な効果を表し、探し求める人を声で誘導しているかのよう。最後は協和音で終止し、安堵感を残す。
ⅱ.Ⅲ振り返る場所
低音域のbassのラインや、分散和音の伴奏系、2音で確定する和音配置など二重奏ならではの特色が映える作品。こちらも中村 由加里と小田 美沙紀両人の演奏。旋律と和音との役割が入れ替わる2ndは上手に演じられている。
ⅲ.minuetto
筧 孝也のfluteと新屋 千夏のpianoとのアンサンブル。テーマの和声とメロディはそのままに、現れるたびに変装をする形。蝶がひらひらと舞う様子を思い浮かばせる。単純な3部形式から構成されるが、最終変奏は厚みを持ち、終止を受け持つ。
ⅳ.Evocaciones
山口 美夕鶴のviolinと風羽 藍玖自身のpianoの演奏。テーマ冒頭はHAHA(シ、ラ、シ、ラ:母)から始まる3部形式。中盤、ピアノとの対話を繰り返し高揚を見せるも、静かに冒頭のテーマに返る。追悼の歌。
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