CAREER
━━━准クラシックの魅力
私はポップスが好きだ。同時にクラシックが大好きだ。片や商業主義、快楽主義と程度の低い音楽と言われ、片や富裕層の娯楽、堅苦しく解説文無しには楽しめない音楽と、親しみにくい音楽と言われ─(当然、どちらの言葉をどのような立場の人たちが言うのかは明白であろうが)しかしそのどちらの意見も正しく、どちらにも疑問の余地がある事も事実。そして共通して言える事は、実のところどちらとも美しさ、感情、思想、情景などを表現する「表現媒体」として用いられて来たことだ。
その表現媒体としての線上に在りつつ、両者の平均的な性格を持つ音楽、それこそが今私の追求する“准クラシック”の音楽。映画や昨今のビデオゲーム、環境音楽から歌手プロデュースまで、「坂本龍一」や「久石 譲」に代表する音楽家が扱う楽曲ジャンルから、ロマン派、印象派の音楽に見られる標題音楽やオペラ、即興曲なども含む。
要はアカデミックさ以上に「純粋に聴いた感じで楽しめる音楽」。これが今私の最も愛すべき音楽で(個人的趣味も大いに含むが)、追求し、世に発信して行きたいと切に願うものである。
愛知県出身。ピアノを隈本浩明氏、作曲を故 田頭優子氏に師事。2002年、名古屋音楽大学器科ピアノ専修卒業。「己が琴線に触れる感覚を具現化」と評されるよう、知性と快楽性とを併せ持つ表現の追求に力を注ぐ。
第31回、第33回共に東京国際芸術協会主催全日本作曲家コンクール奨励賞受賞。
━━━Francis Poulenc (1899-1963)
「ドビュッシー的エレガンスが骨の髄までしみ込み、ナイーブな優雅さと子供っぽい旋律に夢中になり、レナルド・アーンのように社交的な自己満足をし、自分が人の気に入られるかどうかを心配している」─エミール・ヴェイエルモーズ─
「魅力的で軽薄」「小さな巨匠」─我が愛するプーランク、私の目指す方向はここにある。