サロン・コンサートin名古屋を終えて
およそ1年半の月日を経て音楽ネットワークえん企画、158回目となる「サロン・コンサートin名古屋」が開催された。
3年前の個展の折に発表した五重奏を再演して頂く予定だったのだが、延期が決定し、一時再開の目処が立たない状況になったので、これを好機と捉え響きを中心に見直す事を決めて臨んだのだった。
制作日記にも挙げたのだが、改定を進めるうちに3楽章は一部、そして1楽章と終楽章はほぼ全て刷新する結果となった。1楽章では序曲的に2楽章、3楽章のテーマを予告編のように登場させ、終楽章では全楽章のテーマを総浚いして締めくくるという形式はそのままに、これまで断片的な旋律の集合体に感じられた内容を響きや勢いを大切にし、締まりのある形に整えた。
演奏はスタッカートやマルカートといった音価の短い素材が多く、綺麗な音程や響きを整えたり音色を表すのにとても高度な技術を要するにも関わらず、合せの回を重ねるごとにとてもまとまりが出、本番はとても満足のいく演奏を披露して頂けた。
三日間によって行われた中区の大橋先生のお住まいでの集中練習には前日の練習に参加させて頂き、とても楽しい雰囲気の中、より良い音楽を作り上げていくための意見交換がなされ非常に充実した時間を過ごすことができた。
これは子供達の合奏相手ではない、元名フィル首席オーボエ奏者始めとする今を活躍中のプロ集団に対して、そして私も曲がりなりにも音大を出て教授と名のつく恩師の下作曲を学び決して大きくはないが全国区のコンクールに評価して頂いた立場からの意見交換の場であった。それぞれに皆さん研究して頂いていて、アーティキレーションの僅かな違いの意図や、同じ音符であってもその状況に適した音価など鋭い指摘に対する適切な答えを出したり、時に要望を出したりそのやり取りがこの音楽をより豊かで有機的なものに形作った。
次回、この系統の編成に挑む際の課題として、やはり管楽器は豊かに心地よく響くffのロングトーンが効いていて一番気持ちが良いのだ、そしてドラマチックであること、それらを織り交ぜ演奏者に気に入っていただける作品を認めたい。
0コメント