Trio Lilie 名古屋・東京「えん」コンサート
この度ご縁あって音楽ネットワーク「えん」主催のサロン・コンサートin名古屋とコンセール・ラボールin東京にてTrio Lilieの演奏会に編曲として参加させていただきます。
計11曲、異色のtrumpet、soprano、pianoのtrio、奏者のアドヴァイスも頂き大変勉強になりました。
以下、それぞれのコンセプトを掲載。
・小さな空
いわゆる「サビ」の部分、二つの旋律をどう登場させるかで変化を出した。全体で強弱記号は特に書かなかったが、自然の流れに委ねる。
・Gabriel's Arie
77小節目のオクターブでのユニゾンは、オケ版でファゴットか何かでなぞってたのを参考にした。途中、持ち替えあり。
・Nacht
ピアノが和音なしの一つの声部から徐々に旋律が増え、厚みを増させていく形をとっていたので、それに沿って2回目の旋律、10小節目からFlug.を加えた。18小節目からは歌と掛け合うように対旋律を並べ、34小節目では他2パートがロングトーンなのでピアノのメロディを強調した。
・Nimmersatte Liebe
前半は歌の主旋律に反行する形でメロディを取った。6小節目は歌の変化に乗っ取ったリズム。35小節目からは歌とは遅れて伴奏で半終止にもっていく流れをそのままTpで追いかける形。46小節目からはユニゾンにするか迷ったが、一回目と同じように反行する形を配置した。
・Seitdem dein Aug'
冒頭はピアノにあった対旋律をそのまま持ってきた。その分、ピアノはずいぶんと見やすい譜づらになったはず。8小節目はデュエットで一つにまとまる感じ、ピアノの音型を利用した。17小節目からはとてもロマンチックな部分、18小節目以降のアルペジオは花火の煌めきや星の瞬き、涙、何かこういった場面でキラキラとするものを思い浮かべながら引き立ててもらえればと思った。17小節目の3連符は23小節目を唐突なものにさせないためのもの。
・うばぐるま
曲の持つ幻想的な雰囲気を大切にした。中田喜直の曲はピアノはしっかり作り込まれているので、ほとんど触っていない。フリューゲルホルンを添える程度が良いバランスなのではと感じまし、ソプラノと会話するような感じで演奏していただければと整えた。
・烏
こちらもピアノはトランペットに預けたメロディを省いたり、厚みを削ったりする以外はほとんどそのまま。
・風の子供
ゆらゆらした感じが生かせると感じたのでテーマを追いかけさせてみた。29小節目の間奏はピアノのメロディを、Gesを頂点に均した形。その関係でピアノは完全に伴奏になっていまる。48節目はピアノが前に出るよう右手をオクターブに、53小節目では折角なのでFlug.にメロディを付けた。
・たあんきぽーんき
原曲にはどちらでもよいとあるが、アレンジを変えて2回繰り返す形にした。2回目は冒頭ピアノ、続いてTp.に主旋律を持ってきてsop.はしばしお休みで、39小節目でTp.とユニゾンで合流。47小節目のppは、原曲に繰り返すのならば2回目はppでとあったので忠実にそのままppにしている。
・ねむの木
非和声音の多い現代作曲家ならではの和声、この文学的なファンタジー、一種の奇妙さを尊重した。それぞれ断片的に登場するモチーフはそれぞれ先に出るピアノや主題から引っ張ってきている。
・おやすみ
6小節目や10小節目に度々出てくるスタッカートはピアノ伴奏のモチーフから。15小節目からピアノに前へ出てもらった後、22小節目から23小節目へのピアノの流れが好きなので、21小節目からTp,Pf,Sopといった順に追いかけるようにして収束する形を作った。52小節目の原曲にある「鐘の音」は大切だと思ったのでそのままのピアノだけにした。
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